大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和31(オ)505 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人奥江秀一の上告理由第一点、第二点について。

原審の確定したところによれば、本件売買契約は、結局被上告会社において、被

上告人Bから、従前の土地たる鹿児島市a町b番地の宅地につき、その所有権の一

部(一三二分の八〇の持分)を買い受けたというのであつて、右原審の認定は、挙

示の証拠によつて是認することができる。そして上告人の本件賃借権については、

賃借権そのものの登記はなされておらず、地上建物の登記は、被上告会社の本件土

地所有権の一部取得の登記の後になされているというのであるから、上告人は、そ

の賃借権をもつて第三者たる被上告会社に対抗し得ず、従つて右被上告会社と共有

関係にある被上告人Bに対しても、上告人は本件土地につきその賃借権の内容たる

使用収益権を主張しえないものといわなければならない。右と同趣旨に出でた原判

示は正当である。所論は、被上告会社が被上告人Bから買受けた土地は、従前のa

町c番地のdに訴外Dが借地して居住していた部分と、a町b番地に訴外Eが借地

して居住していた部分であるとの、前記原審の認定に副わない事実関係を主張し、

これを前提として原判決の違法をいうものであつて、採るを得ない。

同第三点について。

原審認定の事実関係の下においては、被上告会社の本件土地の買受および所論登

記は、いまだ所論のように信義誠実の原則に違反し、または権利の濫用に当るもの

とは認められない。それ故、所論は採るを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

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最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 高 木 常 七

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